解説

Earth Charter Book地球憲章全文と解説が書かれた小冊子です。事務局にてお買い求め頂けます。(500円)

「地球憲章」を広める一助として、「地球憲章」を学校現場、ホームルームなどで使うことができないか、大学の授業、企業や地域の集会や活動の中で紹介してもらえないだろうか、県や市や町に「地球憲章」を採択して欲しい、といったことを地球憲章推進日本委員会としては望み、2003年に以下の解説が作成されました。

青文字の文章が、地球憲章推進日本委員会が加筆した解説の部分です。「地球憲章」の原文にはありません。

目次

 

本文

  • I. 生命共同体への敬意と配慮
    1. 1.地球と多様性に富んだすべての生命を尊重しよう。
      a.生きとし生けるものは互いに依存し、それぞれが人間にとっての利用価値とは無関係に、価値ある存在であることを認めよう。
      人間にとって地球は、なくてはならないものですが、地球にとって人間は、なくてもいいものです。人間の活動が、20世紀型のまま続いていくのであれば、地球にとって人間はいない方がいいのです。
      地球上にあるもので、人間にとって利用価値のあるもの--鉱物、動植物、化石燃料など--は、「資源」として人間の社会経済活動のために活用されています。しかし、その資源は、利用された後には、廃棄物や二酸化炭素となって環境中に排出されます。日本では、年間20億トンを超える資源が使われ、そのうち10億トン近くが廃棄物や二酸化炭素となり、残りの多くは国内に建物・製品などの形で蓄積されます。
      こうした資源には、人間にとっての利用価値以外にも多様な価値を持っています。例えば、森林は、木材資源というだけでなく、二酸化炭素の吸収や酸素の排出を行い、自然景観の形成したり、水源となったりします。
      そして、資源として利用されない多くの生物がいます。人間にとって利用価値がないからといって、放置しておいてはいけません。これらは、人間活動によって、程度の差はあれ、その生存が脅かされているのです。
      人間にとって、なくてはならない地球の存続のために、人間は、資源(人間にとって利用価値のあるもの)を効率的かつ循環的に利用し、人間にとって利用価値のないものは積極的に保護していかなければならないのです。
      b.すべての人が生まれながらに持っている尊厳と、人類の知的、芸術的、倫理的、精神的な潜在能力への信頼を確認しよう。
      人間だけが地球に「害」を与えますが、一方で、「地球への思いやり」をもっているのは、地球の生き物の中で人間だけです。
      地球を破壊しかねない人間は、そういう倫理的、精神的な生き物でもあるのです。
      まず、それを確認しあいましょう。人間は、自らの欲望だけにしたがって、あるいは、「市場」の動向のみにしたがって行動するわけではありません。
    2. 2.理解と思いやり、愛情の念をもって、生命共同体を大切にしよう。
      a.資源の所有、管理、利用には、環境への害を防ぎ、人々の権利を守ることが義務であることを受け入れよう。
      人々は、環境の中から有用なものを資源として活用して製品を作り、それを所有し使うことによって、「移動する、情報・知識を得る、連絡する、楽しむ、料理する、暖や涼をとる…・・」といった目的を達成しています。こうした活動では、製品(モノ)を使っているのですが、モノを作るとき、使うとき、廃棄するときには環境に害を与えます。
      モノを動かしたり、熱をとるためには、エネルギーを購入して利用しますが、エネルギーを作るとき、使うときにも環境に害を与えます。
      そして、日本のような社会では、移動するために自動車・自転車・オートバイなどがあり、暖をとるために石油ストーブ・ガスストーブ、エアコン・こたつなどがあり、連絡するために電話・携帯電話・パソコンなどがあり、情報・知識を得るために新聞・雑誌・テレビ・ラジオ・パソコン(インターネット)などがあり、といった具合に多くのモノがあり、それぞれをみんなが買って、所有して使っています。1つの目的のために、多種類のモノを持っているのです。
      モノは、使い終わったら廃棄物になります。1つの目的のために、多種類の廃棄物を出すことになります。
      モノを製造した人(生産者)は、それが使われて廃棄物になる段階まで責任を持つという考え方があります。これが、「拡大生産者責任」です。
      みんなが多種類のモノを所有していても目的は1つですから、目的だけ達成されればよいわけで、モノを自ら所有することは必要ありません。例えば、暖をとるには、本当は、いろいろな暖房機器を持たなくても、1つを暖房機器メーカーから借りて、それから得られる「熱」を買えばいいのです。その暖房機器は、メーカーの所有物ですから、維持管理にも、リサイクル・廃棄のも責任を持ちます。
      b.自由、知識、権力は、その大きさが増せば増すほど公益推進への大きな責任が伴うことを確認しよう。
      人も企業もいろいろな団体も、社会的存在であり、環境を利用して活動をしています。大きくなればなるほど、社会への影響、環境への影響が大きくなります。
      大きなものほど、社会や環境への責任、すなわち持続可能な発展への責任が大きくなります。
    3. 3.公正で、直接参加ができ、かつ持続可能で平和な民主社会を築こう。
      a.すべての地域社会において、人権、基本的自由を保障し、男女を問わずすべての人に、可能性を充分に活かせる機会を与えよう。
      b.すべての人が環境に配慮した形で、安全で有意義な暮しができるよう、社会的、経済的公正さを推進しよう。
      社会的・経済的な弱者ほど、環境悪化の影響を大きく受けます。例えば、途上国の都市生活者は、汚れた空気の下から移転したり、安全な水を確保することは容易ではありません。
      社会的・経済的な弱者ほど、生活スタイルが限られており、それが環境悪化をもたらすことにもなります。例えば、砂漠化しつつある地域の人々は、煮炊きのために薪をとりにいかなくてはなりません。それが、また砂漠化を加速します。
      環境のためには、国内的にも、国際的にも、社会的、経済的な公正を確保することが前提になります。
    4. 4.地球の豊かさと美しさを、現在と未来の世代のために確保しよう。
      a.それぞれの時代に享受できる行動の自由は、未来世代のニーズによって規制されることを認識しよう。
      未来の世代も現在の世代と同じくらいに、あるいは、現在の世代以上に地球の豊かさと美しさを享受できるようにしなくてはなりません。「世代間の公平性」の確保です。
      人間の経済的な豊かさは、地球の環境や天然資源を利用することによって得られます。一方で、環境や天然資源は、利用されるほど悪化したり、枯渇したりします。
      現在の世代の環境や天然資源の利用を一定レベル以下にしないと、未来の世代がそのニーズを満たすことができないことになります。例えば、地球温暖化です。世界の科学者は、100年後の世代が温暖化の具体的な影響を受けないようにするには、現在の世代は、石油・石炭などの利用を60%減らす必要があるとしています。
      b.次の世代に、人間を含む地球上の、生きとし生けるものの長期にわたる繁栄を支える価値、伝統、しきたりを伝えていこう。
      人間は、地域、民族などごとに、固有の価値、しきたりなどを持ち、固有の生存の方法を持ってきました。そして、それぞれは、持続的な生産・消費の営みをしてきました。20世紀初頭にアメリカで花開いた大量生産・大量消費様式は、いまや全地球を覆い、地域、民族などごとの存在してきた多様な持続的な生産・消費の様式を壊してしまいました。
      したがって、今後、持続可能な生産・消費の様式の実現を図るには、これまで存在していた多様性ある生産・消費の様式を、蘇らせることも重要で、これを次の世代に伝えなくてはいけません。
      以上、4つの大きな決意を実行に移すために、以下の諸原則が必要である。
  • II. 生態系の保全
    1. 5.生物の多様性と、生命を持続させる自然のプロセスに対して、特別な配慮を払いつつ、地球生態系全体を保護し回復させよう。
      a.環境の保全と回復が、すべての開発計画に組み込まれるような持続可能な開発計画と規制を、どの段階でも採用しよう。
      政府は、特に80年代以降、様々な開発計画に環境への配慮を盛り込んでいます。そして、多くの開発事業について、環境影響評価がされるようになってきました。また、地方自治体においても、同様に取組がされています。
      しかし、「配慮」や「評価」によって、その開発事業に伴う環境への影響は最小化されますが、多くの場合、開発事業そのものの必要性・経済性がなくならない限り、その事業を取りやめることにはなりません。
      そこで、かなり以前に計画されたままになっている開発事業について、改めてその必要性・経済性などを評価し、その結果に基づき、取りやめる事業もでてきています。
      そして、さらに、様々な要因で破壊された自然環境を再生する公共事業も生まれてきています。
      b.地球の生命維持システムを守り、地球の生物多様性を維持し、自然遺産を保護するために、野生地や海洋を含む、自然と生物の生存可能な保全地域を指定し、これを守ろう。
      地球の自然遺産を保護するために、世界遺産条約があり、現在、日本では屋久島と白神山地が指定され、保護されています。
      また、水鳥が生息する湿地の保護のために、ラムサール条約があり、現在日本では、釧路湿原、琵琶湖など箇所が指定され、保護されています。
      これらの国際的な条約に基づいて指定された地域は、自然公園法、自然環境保全法などで保護されるわけですが、条約に基づいて指定された地域以外にも、多くの保全地域が、これらの法律に基づいて指定され、保護されています。
      c.絶滅の危機に瀕した生物種と生態系の修復を促進しよう。
      トキ、イリオモテヤマネコなどのような絶滅の危機に瀕している生物種は、環境省によって、その保護と、増殖の取組がなされています。
      一旦破壊された生態系も、自然再生法が制定され、環境省などによって、少しずつ修復・再生の事業がすすめられています。
      d.原産種や環境に害を及ぼす外来種、あるいは遺伝子組替え品種を規制、根絶し、そうした有害種の導入を阻止しよう。
      遺伝子組替生物の国際取引に関しては、カルタヘナ議定書が批准され、法律に基づいた手続きを行うことによって、環境への影響をなくしていきます。
      環境に害を及ぼす外来種に関しては、その移入などを規制する法律の制定が求められています。
      e.水、土壌、林産物、水産物のような再生可能な資源の使用を、生態系の再生速度を上回らず、生態系の健康を保護するような方法で、管理しよう。
      水は、主に海の水が蒸発して、陸上に雨となって降り、川を伝って、また海に流れ込み、太陽のエネルギーで蒸発するという大循環を繰り返しています。したがって、川をダムでせき止めてしまって、下流にほとんど水がなくなったり、あるいは、雨が下水道に入り、川に水がほとんどなくなったりすると、水の循環が損なわれています。また、ある程度の有機汚濁は、川などの自然の浄化機能によって浄化され、水質上の問題は生じませんが、化学物質などによる汚染や、自然の浄化機能が損なわれた川などでは、水質の問題が懸念されます。したがって、水の循環や、自然の浄化機能が損なわれない範囲内で、水を利用するような管理が必要です。この自然の浄化機能は、土壌にも当てはまり、ます。
      農林水産物のような生物資源は、自然の生産力に依存していますので、その生産力の範囲内の利用であれば、再生可能資源ですが、その生産力以上の利用をすると、再生できず、枯渇してしまいます。これらは、バイオマス資源と言われ、生長の過程で直接・間接に二酸化炭素を吸収していますので、これを燃やしても、新たな二酸化炭素を排出することにはなりません(これを、「カーボン・ニュートラル」と言います。)ので、石油、石炭などに代えて、バイオマス資源を利用することで、地球温暖化対策になります。ただし、
      f.鉱物や化石燃料のような再生不可能な資源の採取や使用については、その資源の枯渇を最小限にとどめ、深刻な環境破壊を引き起こさないような方法で管理しよう。
      金属系、土石系の資源や石油・石炭などの化石資源は、再生不可能な資源です。したがって、金属やプラスチックからできている製品は、何度も繰り返し使ったり(リユース)、また、使い終わった製品から金属などを取り出して他の製品の原材料としたり(リサイクル)、最後にプラスチックなどを燃やして発電・熱供給したり(サーマル・リサイクル)します。
      もちろん、再生不可能資源からできている製品も、ムダに使ってはいけません。すぐにゴミになるモノは買わない、もらってこないことが必要です。例えば、コンビニ、スーパーなどの「レジ袋」は、もらってもすぐにゴミになってしまいます。書店でも、本にカバーがいるかどうかは聞いてくれますが、紙かプラスチックの袋に入れてくれます。これもすぐにゴミになるだけです。
    2. 6.生態系保護の最善策として、環境への害を未然に防ぎ、充分な知識がない場合には 慎重な方法をとろう。
      a.環境にとって重大な、あるいは取り返しのつかない害を及ぼす可能性がある場合には、たとえ科学的知見が不充分、あるいは不確実であっても、それを避けるための行動を起こそう。
      日本の環境問題の歴史の中でも、水俣病などの初期の段階では、「原因は科学的に明らかでない。」との原因企業側や産業サイドの役所の主張によって、適切な対策が講じられず、結果として被害が大きく拡大するとともに、原因企業は莫大な費用負担を強いられました。
      したがって、科学的知見が不十分な場合であっても、早期に具体的な対策を講ずることが不可欠です。そして、早期の対策は、結果として、大いにコスト節約になるのです。
      日本の悲惨な経験は、この原則の教訓をもたらしました。同じことは、地球温暖化のような地球規模の問題にもあてはまります。アメリカのブッシュ政権は、温暖化の科学的な解明が不十分であるなどの理由で、京都議定書に参加しないとしていますが、温暖化の取組が遅くなればなるほど、温暖化は進行し、これによる被害も甚大なものになり、さまざまなコストも飛躍的に増大します。この場合には、アメリカにとってのコストが増大するだけでなく、アメリカのせいで、世界全体のコストが増大するのです。
      b.環境に重大な害を及ぼさないとして提案された活動には、その提案者に証明責任を課し、環境被害に対する責任を負わそう。
      開発事業を行おうとする際には、事業者は、それが環境に及ぼす影響を調査・予測・評価して、その結果を公表し、住民、行政機関の意見などを聴き、それらを踏まえて、事業に関係する大臣の事業許可などを得ます。これが、「環境アセスメント」です。
      環境アセスメントを実施しない事業も含めて、環境に影響のある事業を計画し、実施する者は、環境への影響について、すべての責任を有しています。当然、損害賠償について訴えられることもあります。
      c.意思決定に際しては、人間の活動の累積的、長期的、間接的、長距離的、地球規模的結果を考慮することを明確にしよう。
      交通動脈の整備、地域開発から、製品の製造、飲み物の購入に至るまで、人間の活動を営むために人々は、様々な場面で意思決定します。その判断基準は、より便利、より安く、より速く、より利益が挙がるなど、かどうかです。そこには、一度だけの、短期的で、直接的な、狭い範囲の判断でしかありません。
      こうした意思決定の場合には、環境のことは考慮されません。環境は、長期的、広域的といったような視点がある意思決定の中で、はじめて配慮されるものです。
      逆に、「エコロジーは、長期的なエコノミー」と言われますように、環境にいいことは経済などにも良い効果をもたらします。
      d.環境への汚染はすべて防止し、放射能や有毒、危険物質の蓄積を阻止しよう。
      人体や生態系に影響を与える汚染は、ものが燃えると大量に排出される二酸化窒素などのようなものから、排出量は微量ですが毒性の強いダイオキシンのようなものまで、多種多様な物質によってもたらされます。
      新しく製造される化学物質については、その毒性などが評価されて、製造や利用が規制されます。既存の化学物質については、調査、評価がなされ、必要なものは規制されます。
      また、環境汚染をもたらすということで、過去30年間工場などに保管されてきた膨大な量にのぼるPCBについては、今後15年間ですべて化学処理される体制が整備されつつあります。
      e.環境に害を与える軍事行動は回避しよう。
      演習も含めて軍事行動は、環境に害を与えます。特に、核兵器、生物化学兵器の使用は、破滅的な影響をもたらします。「戦争は、最大の環境破壊」です。
    3. 7.生産、消費、再生産については、地球の再生能力を傷つけず、人権や公共の福祉を保護するような方法を採用しよう。
      a.生産、消費のシステムにおいて、原材料の減量、再利用、リサイクルに努め、残った廃棄物は自然に回帰する方法をとろう。
      日本人は、平均すると1人1日630グラムの家庭ゴミを出しています。
      この中には、缶、ビン、新聞紙・雑誌などのように集団回収などに出すことによってリサイクルできるものがあります。これが1人当たり約120グラムあります。
      冷蔵庫の中には、賞味期限の来た食品や、傷みはじめた野菜などが残っていませんか。料理する時には、野菜くずをムダにしていませんか。余計に料理して、食べ残しをしてませんか。これらを、無駄なく、計画的にすることで、1人当たり20グラム減らすことができます。
      買い物かご・買い物袋・エコバックを持参し、レジ袋などをもらわない。包装も簡易にしてもらう。詰め替え用のシャンプーなどを利用する。こうしたことで、1人当たり7グラム減らすことができます。
      以上を合計すると、約150グラムになり、1人1日当たりの家庭ゴミの排出量は、20%以上減らすことができます。
      このほか、ビール、お酒などリターナブルビン(生きびん)を使っている飲料などは、酒屋さんに配達してもらえば、缶、紙パック、ペットボトルなどをゴミとして出さずに済みます。新聞の折り込み広告は、ほとんど読まずに古新聞と一緒に集団回収に出したり、ゴミとして出しますが、販売店に言っておけば入ってきません。庭のある家では、生ゴミは、穴を掘って埋めれば、しばらくすると肥料になります。まだまだ、いろいろな工夫があります。
      b.エネルギーの使用については、節約と効率を旨とし、太陽光や風力のような再生エネルギー資源への依存を高めよう。
      電気、ガス、灯油、そしてガソリンが代表的なエネルギーです。
      家電製品のエネルギー効率は、全体として高まっています。販売店によっては、冷蔵庫などの月の電気代を表示しているところもあります。電気代が安い機器の方が、二酸化炭素の排出量が少ないわけです。
      また、電気製品には、テレビ、ビデオ、ステレオ、ファックス、コピーなどのように、コンセントを抜かない限り、「待機電力」が流れているものがあります。使っていないのに電気が消費され、二酸化炭素が出ているのです。「待機電力」の少ない機種を使うか、その都度コンセントを抜く(ケーブルの途中にスイッチをつける。)ことが大切です。
      電気は、一般的には、電力会社が、石油、石炭、又は天然ガスを燃やし、あるいは原子力によって、それぞれ熱をつくり、その熱によって水を蒸気にして、蒸気でタービン(発電機)をまわして発電するという方法でつくります。このように、電気は、極めて単純な方法でつくられ、原子力といっても、それ自身で電気ができるのではなく、単に蒸気タービン(発電機)をまわすための熱をつくるだけなのです。
      同じように、発電機をまわすのは、水力でも、風力でもできます。これらは、再生利用が可能な自然エネルギーによる発電です。石油などの化石燃料を燃やして発電すれば、二酸化炭素などが発生し、人体などに有害な放射性物質を利用する原子力は、その管理をうまくしないと放射性物質による汚染が問題になります。1999年秋の東海村の事故は、発電のための燃料をつくるときの事故で放射性物質が環境中に放出されたもので、1人が亡くなっています。水力や風力は、このような問題は生じませんが、ダムなどをつくるのに自然保護上の問題は伴いますし、日本のように、これだけ石油などや原子力による大量の発電に頼ってきた社会では、水力、風力などだけでは、直ちに、石油などや原子力による発電にとってかわることはできません。
      したがって、・先ほどのように、いかに二酸化炭素の排出の少ない電気製品を選択して使うか、また、いかに待機電力を小さくするか、といった工夫をするとともに、・いかに二酸化炭素の少ない方法で発電された電気を使うか、という2つの方法をとる必要があります。
      石炭、石油、原子力中心のエネルギーシステムから、天然ガス、自然エネルギー中心のエネルギーシステムに向けた30年計画を立てる必要があります。
      c.環境にやさしい技術の開発、採用、公正な移転を推進しよう。
      「環境にやさしい技術」には、環境汚染を処理するような対策技術と、それ自身が他の技術と比較すると環境負荷をもたらさない技術と大きく2種類あります。汚水処理、土壌汚染処理などの技術が前者で、太陽エネルギー利用、燃料電池などの技術が後者です。
      「必要は、発明の母」といわれます。環境にやさしい技術の開発・普及には、排出基準を設定したり、導入目標を設定したり、まとまった需要を確保したりするなどの取組が必要です。
      d.環境と社会コストを、物やサービスの値段に組み入れ、消費者が、環境面、社会面で最も高い水準に達している商品を選べるように工夫しよう。
      環境に配慮した製品は、「エコマーク」によって推奨されています(現在、約5000種類の商品が対象になっています。)。また、国などが調達する物品には、「グリーン購入法」によって個々の製品に基準が定められているものがあります。また、例えば、自動車の排気ガスのように、法律で基準が定められているものもあります。これらの製品には、「環境コスト」が値段に組み込まれていることになります。
      一般的には、環境に配慮した製品は、値段が高くなります。逆に、環境に配慮していない製品は、相対的に安く、環境に配慮した製品を買おうとするインセンティブは小さいわけので、「エコマーク」などで推奨されているのです。
      e.出産権(リプロダクティブ・ヘルス)や責任のもてる出産を促進するような保健サービスを、誰もが利用できるようにしよう。
      f.有限の世界の中で、質の高い生活と物質的に足るを知るライフスタイルを採ろう。
      日本のように、物質的には十分満たされた社会では、新たにモノを購入し、自分のモノとして所有した上で使い、使ったモノは廃棄物として捨てるという従来型の生活スタイル・ビジネススタイルでなく、製造したメーカーが製品を消費者にリースするなどし、消費者はその製品の「機能」を買い、使い終わった製品は、メーカーの所有物ですからメーカーが引き取って、リユース・リサイクルするといった生活スタイル・ビジネススタイルになるようにしていきたいものです。
      また、長寿命の製品を、修理して、長く使用したいものです。社会の中で、段階的に使っていくことも必要でしょう。例えば、木材は、まず、家具などの製品として利用し、次に、パーティクルボードに加工し建材に、最後に、暖房燃料として利用しましょう。
    4. 8.生態系の持続可能性に関する研究を進め、既存の知識を自由に交換し、幅広く応用しよう。
      生態系の基本的なアクターは、生産者としての植物、消費者としての動物、そして分解者としての微生物です。このバランスの変化によって、生態系は変わり、あるいは壊れてしまいます。そして、その変化の多くは、人間の活動によってもたらされます。
      したがって、生態系の持続可能性に関する研究は、自然科学的研究ばかりでなく、変化をもたらす人間の活動に関する研究も必要です。
      a.持続可能性に向けての科学面、技術面での国際協力を支持し、特に発展途上国のニーズに配慮しよう。
      地球は、それぞれの地域から成り立っており、それぞれの地域には、追究すべき持続性があります。持続性の地域特性はありますが、科学や技術の面では共有すべきものがあります。したがって、この面での国際協力は不可欠です。
      発展途上国においては、これまでの先進国がたどってきた環境破壊型の経済発展の道と同じ道を進んではいけません。先進国で徐々に開発・導入されてきた新しい技術システム(情報通信技術、新エネルギー技術、リサイクル技術など)を一度に発展途上国に導入することによって、一気に環境・経済に良い持続可能な社会に「カエル跳び」することができるのです。
      b.すべての文化における伝統的知識と精神的知恵の中で、環境保護と人々の福祉に貢献するものを認知し、保存しよう。
      さきほど示したような新しい技術の導入だけが、持続可能な社会を実現する方法ではありません。忘れられていた伝統的な知恵や技術の中には、例えは、風力、雨水、木材などの利用のように、先端的な技術と結びついて、これからの持続可能な社会を築くためのキーテクノロジーになっていくものも多くあります。
      このように、伝統的な知恵や技術を見直し、活用するためにも、これらを積極的に保存していくことが必要です。
      c.遺伝子情報を含む、人間の健康と環境保全にとって非常に大切な情報は、誰にも独占されず開かれていることを確認しよう。
      科学的、技術的な情報はもちろん、製品の環境情報、おもしろい取組の事例情報など広範な情報の公開・利用のためのシステムは、どんどん整備されています。
  • III. 公正な社会と経済
    1. 9.倫理的、社会的、環境的要請として、貧困の根絶に取り組もう。
      a.飲料水、清浄な空気、食糧の安全性、汚染されていない土壌、住居、安全な公衆衛生への権利を保証し、そのために必要な資源を、国内及び国境を超えて分配しよう。
      持続可能な社会は、・環境に負荷がない、・雇用が確保されるなど経済的基盤がある、・社会的な公正が確保されている、の3つの要素が満たされる社会です。
      そのために、まず必要なものは、きれいな水、空気、土壌です。同時に、安全な食べ物、衛生的な環境です。全ての人間がこれらを満たすことができるよう、国内的にも、国際的にも、資金的・人的な協力の体制をつくることが大切です。
      b.すべての人が持続可能な生活を送る力を得られるように、教育や手段を与えよう。自らを支えることができない人のためには、社会保障やセーフティネットを用意しよう。
      社会的な公正にためには、教育や社会保障の整備・充実が不可欠です。
      c.目を向けられずにいる人々に気を配り、傷つきやすい人々を保護し、苦しむ人々に奉仕し、彼らが自らの能力を伸ばし、希望を追求できるようにしよう。
      貧しい人々が、環境問題の最大の被害者といわれます。貧しい人々が、経済的にも社会的にも自立できるようにしていくことが、同時に環境「問題」を解決していく道でもあります。
    1. 10.経済活動やその制度は、あらゆるレベルで公平かつ持続可能な形で人類の発展を促 進するものとしよう。
      a.国の内外を問わず、富の公平な分配を促進しよう。
      富の源泉は、労働力、資本、技術、それに環境です。日本は、毎年500兆円を超すGDPを稼いでいます。これは、アメリカの次に大きく、ドイツ、イギリス、フランスの3つの大国のGDPを足したくらいになります。こんな大きな富があるわけです。21世紀の日本は、これをさらに大きくする(経済成長する)ことよりも、公平に分配することの方が重要ではないでしょうか。
      日本は、途上国に対して、世界でトップクラスの援助をしています。世界から多くの資源をかき集め、世界の5%くらいの二酸化炭素を出し、そして、世界に自動車、電気製品などを売りまくってきたわけですので、世界にお返しをしなくてはなりません。日本は、環境を守り、再生する外国、特に途上国の取組に対して、大いに支援していくことが大切です。環境は、富の源泉だからです。
      b.途上国の知的、財政的、技術的、社会的資源を増進させ、重い対外債務から救出しよう。
      c.すべての貿易は、持続可能な資源の利用、環境保全、先進的な労働基準にかなうものであることを確認しよう。
      自由な貿易を進めることによって、世界の豊かさは増大します。特に、日本は、国内に資源が少なく、自由貿易を謳歌して、安く手に入る資源を外国からどんどん輸入し、できた製品をどんどん輸出して、極めて大きな経済の国になりました。
      「無資源国」は、自由貿易体制である限り、資源保有国よりも経済的に有利です。
      しかし、外国の資源を輸入すると、その過程で外国の環境に害を与えることにもなります。鉱物資源の採取の時に、自然の破壊・水汚染などを伴う場合があり、小麦などを大量に生産するところでは、土壌流失の問題がおきています。また、熱帯林を成長の速さ以上に伐採すると森林は破壊されます。
      また、多くの家畜のエサを輸入していますが、国内には、輸入したエサを食べた家畜の糞尿によって必要以上の窒素がたまり、土壌や地下水の汚染が進行しているところがあります。
      そして、輸出された製品は、輸入先では、いずれ廃棄物になります。
      d.多国籍企業や国際金融機関は、公共の利益のために透明性をもって行動し、自らの活動がもたらす結果に対して責任を負うものとしよう。
      1つの国のGDPよりも大きな利益を挙げる多国籍企業は、たくさんあります。先進国の多国籍企業は、外国で生産活動などをするときには、自国の環境の基準などと同等あるいは、それ以上厳しいレベルを守っていくことが必要でしょう。
      国際金融機関は、途上国での開発プロジェクトへの融資の際には、その環境影響などを十分に事前評価して、持続可能な発展に役立つものにしか融資しないようにすることが必要です。世界銀行はじめとする国際金融機関は、次第に持続可能な発展への配慮がなされるようになってきています。
    1. 11.男女間の平等と公平は、持続可能な開発にとって必須なものであることを確認し、教育、健康管理、経済的機会を誰もが享受できるようにしよう。
      途上国では、一般的に、家事労働、すなわち女性の労働が過酷です。安全な飲み水や薪を求めて、毎日遠くまで出かけなければなりません。これは、地球の環境が悪化してきたからです。
      a.女性や少女の人権を守り、彼らに対する暴力を根絶しよう。
      女性は人類の半数を占めます。その女性達が充分な基礎教育を受け、将来大切な働き手として社会に貢献する道を拓きましょう。
      b.女性達が経済、政治、市民生活、社会活動、文化的生活のあらゆる面で、平等なパートナーとして、意思決定者として、指導者として、また、受益者として活発に参画できるようにしよう。
      c.家族の絆を強め、家族全員の安全と家族愛を強化しよう。
      家族は、最も小さな単位の社会です。持続可能な地域は、持続可能な家族の絆から始まります。
    1. 12.すべての人が自らの尊厳、健康、幸福を支えてくれる自然環境や社会環境をもつ権 利を差別無く認め、特に先住民や少数民族の権利に配慮しよう。
      a.人種、肌の色、性別、性的指向(同性愛者)、宗教、言語、国籍、民族、身分制などに基くあらゆる差別をなくそう。
      地域の中で、宗教、民族の差などによって少数者を差別しては、持続可能な地域が形成されません。
      b.先住民の、精神性、知識、土地、資源に対する権利と、持続可能な生活を続ける権利を確認しよう。
      地域には、それぞれ長い歴史の中で、持続可能な暮らしの方法が形成され、受け継がれてきました。そうした方法、工夫などは、そこに昔から住んできた人達が一番良く知っています。それをよく学んで、将来の地域づくりに役立てましょう。
      c.われわれの地域共同体に住む若者たちの能力を認め支援し、持続可能な社会を創造していく上で彼らが重要な役割を果たせるようにしよう。
      将来世代を代表する現在の若者の役割が、最も大切です。
      d.文化的、精神的に大切な場所を、保護し修復しよう。
      人々が長い時を経て、積み上げてきた文化、宗教、その象徴としての建造物、遺跡は人類にとってすべて貴重な財産です。
  • IV. 民主主義、非暴力と平和
    1. 13.民主的な制度と手続きをあらゆるレベルにおいて強化し、統治における透明性と説明責任、意思決定へのすべての人の参加を確保し、裁判を利用できるようにしよう。
      a.すべての人が、自分たちに影響を及ぼす、または関心のある、環境に関わる事柄や、すべての開発計画、開発活動について、明確、かつタイムリーな情報を受けとる権利を持てるようにしよう。
      道路、ダムなどをつくる時には、あらかじめ環境への影響を調査・予測・評価し、その結果を公開して、住民などの意見を聴きます。これを「環境アセスメント」と言います。法律で、手続きが決まっており、住民などは意見を述べることが保証されています。「環境アセスメント」の仕組みを活用して、より良い環境のために積極的に、情報を得て、提案をしよう。
      b.地方や地域、あるいは国際的な市民社会を支援し、意思決定にはすべての関係者や関係機関が意味ある形で参加できるよう推進しよう。
      まず、地域レベル、国レベルそして世界レベルでの政策決定・意思決定の仕組みを理解しよう。政策決定に参画する方法は、意外に多くあることがわかります。地域や国では、選挙で選ばれた議員が、議会のメンバーとなって、法律・条例をつくったり、予算を決めます。したがって、選挙で、自分と同じ意見を持っている人に投票しよう。これが、憲法で保証された最も基本的な方法です。議会には、政府が法律案を提出する場合が多いですが、一定の人数があれば議員も提出できます。したがって、皆さんも、議員を通じて議会に法律案を提出することもできるのです。
      議会が決めたり、承認したりしない事柄も多くあります。政府では、政策決定しようとする時には、政策の案をつくって、それを公表し、国民の幅広い意見を求めています。これを、「パブリック・コメントを求める。」と言っています。政策の案は、政府などのホームページを載っています。積極的に活用しよう。
      国連の最終的な意思決定は、毎年行われる総会での決議ですが、その前の段階で多くの会議があり、国連に登録されたNGOは、会議に傍聴したり、意見を出したりすることが保証されています。1997年の京都での温暖化防止の国連の会議には、世界中から多くのNGOが参加しました。多くの日本のNGOも、会議に参加したり、サイドイベントで自ら発表したりしました。
      もちろん、市町村、都道府県の環境担当部局や環境省は、常にオープンです。地域の問題から地球全体の問題まで、いつでも提案、意見などを待っています。
      c.言論、表現の自由、平和的集会の自由と結社の自由、異議を唱える自由への権利を保護しよう。
      言論・表現などの自由は、持続可能な発展に向けた各主体の活動にとっての最低限の条件です。
      d.環境への害やその脅威に備えた補償や救済等、行政手続きや独立した司法手続きを効果的、効率的に利用できる仕組みをつくろう。
      1960年代、70年代に大きな公害の被害を経験した日本では、一定の健康被害には、医療費などの補償制度があります。環境影響による損害賠償などについて、裁判に訴えることもできます。裁判とは別に、公害紛争処理法に基づいて、国と各都道府県にある公害等調整委員会が、当事者間の調停などを行って解決を図る方法もあります。
      e.すべての公的機関や民間機関における汚職を根絶しよう。
      お金につられて不正を働く人は、環境への思いやりもありません。
      f.自らの環境を守れるよう地域社会を強化し、環境に対する責任は、最も効果的に 果たすことのできる立場の行政レベルに割り当てよう。
      環境が守られた地域社会を創るには、個々の住民はもとより、いろいろな企業、団体、学校などとの連携(パートナーシップ)が不可欠です。それは、多くの場合、特定の誰かが環境を汚すというより、みんなが係わっているので、その取組も、みんなでおこなっていかないと効果がでないわけです。そして、その中心になるのが、地域の行政機関(市役所など)や議会(市議会など)です。最近では、多くの市町村長さんや議員さんは、地域の環境を良くしよう、地球環境保全に貢献しようとして当選してきています。
  • 14.すべての人が享受できる公教育や生涯学習の中に、持続可能な開発に必要な知識、価値観、技術をとり入れよう。
    学校教育では、ここ20年ほどの間に、環境教育が広がってきました。自然との触れあい、環境汚染やゴミ問題、地球環境問題などについて、教科書や副読本で紹介されるとともに、小中学生のボランテイア団体である「子どもエコクラブ」での体験・取組も広がってきました。
    さらに、これからは、環境問題の背景となるエネルギー・水・資源、交通・まちづくり等といった「持続可能な地域づくり」に必要な分野について、その変革の方向や取組の在り方などを取り上げていくことが必要でしょう。
    a.すべての人々、なかでも子供たちや若者たちに、教育の機会を与え、彼らが持続可能な開発のために活発に貢献できるようにしよう。
    いまの子どもたちが、いまの大人たちの環境に悪い行動をただそう。いまの子どもたちが大人になったときに、環境に良い社会に直そう。
    b.持続可能性に関する教育については、科学が果たす役割同様、芸術や人文科学の貢献も奨励しよう。
    持続可能な社会は、科学や技術だけで実現されません。それよりも、経済や社会の仕組みを環境に良いように変えていくことによって実現されるものです。そのためには、規制を強化・緩和したり、いろいろな活動が環境に影響がないように税金を工夫したり、買い物にマイバッグを持参したり、ゴミを分別したりするなど、多くの仕組みづくりが必要です。
    持続可能性に関する教育では、これら環境に良い仕組みについての理解を深め、いろいろな工夫・アイデアが湧き出てくるようにしていくことが重要です。
    c.生態系や社会が直面している挑戦への意識を向上する上で、マスメディアが果たす役割を強めよう。
    新聞、テレビ、ラジオといったマスメディアでは、毎日のように、いろいろな環境に関連するニュースが報道されています。環境に関するニュースは、断片的な情報の提供だけでなく、社会全体の意識を変え、人々が積極的に環境に取り組んでいけるような、あるいは、それが社会の中で「カッコイイ」と捉えられるような雰囲気をつくり出すことが必要でしょう。
    d.持続可能な生活のための道徳教育や精神教育(宗教教育)の重要性を認識しよう。
    「これをすると環境にやさしいか、やさしくないか」と、いつも自らに問いかけよう。例えば、お店で買い物をするときに、レジで「袋はいりません。」と言えるようにしよう。こうしたことが、日常生活の中で違和感がないような社会にしていくための教育が重要です。
  • 15.すべての生き物を大切にし、思いやりを持って接しよう。
    a.人間社会で飼育されている動物への残虐な行為を防ぎ、苦しみから保護しよう。
    b.野生動物の狩猟、わな猟、漁獲に際しては、極度な苦痛と長引く不要な痛みを与えないようにしよう。
    c.標的以外の動物の捕獲や殺傷をやめよう。
    他の生き物に、「思いやり」を持つことができるのは、人間だけです。しかしながら、あたかも自分達人間だけが、他の生物を無視してわがもの顔に生きています。私達はこの地球の恵み、自然と生きとし生けるものによって生かされ、豊かさ、喜び、癒しを与えられていることに思いを至し、濫用を厳に戒めなければならないのです。
  • 16.寛容、非暴力、平和の文化を促進しよう。
    a.あらゆる民族間、国内間、国際間の相互理解、団結、協力を奨励し、支援しよう。 ○国際平和は、持続可能な発展のための最低限の条件です。
    人間は一人では生きられないように、民族も国も、互いに依存しています。有史以来これまで、人類はさまざまな形での交易、文化交流によって豊かさを作り出し、文明を築いてきたのです。
    b.武力紛争を防ぐ為に包括的な戦略を実施し、環境に関わる紛争や他の論争を管理・解決するためには、協力的な問題処理を行おう。
    第二次世界大戦後、生まれた国連の果たしてきた役割は少なくありません。しかし、50余年を経た今、安全保障理事会の改組をはじめ、国連改革は必要です。
    c.国家の安全保障体制を非攻撃的な自衛レベルに縮小し、軍事予算を、生態系の修復のような平和的目的のために転用しよう。
    スイスや日本のように、自衛のための戦争しか行わないといった平和憲法を持ち、それを固く守っていく国が 増えていくことが望まれます。世界の国々の軍事予算は約93兆円に達します。その一部でも貧困の解消、生態系の保護、識字率の向上等、平和的なことに使われれば地球上の不公正さは減少します。
    d.核兵器、生物兵器、化学兵器やその他の大量破壊兵器を排除しよう。
    大量破壊兵器、それが核であれ、生物、化学兵器であれ、使用を始めれば人類の滅亡に一歩足を踏み入れたことになります。戦争、特に大量破壊兵器による戦争は究極の環境破壊です。
    e.人工衛星軌道や宇宙空間の利用は、環境保全と平和に資するものとしよう。
    月に到達した人類にとっても宇宙空間はまだまだ未知の世界、それだけに大切に扱い、争いや環境破壊を持ちこまないようにしよう。
    f.平和とは、自分自身、他人、他の文化、他の生命、地球、そして全てがその一部を構成する、さらに大きな全体との間の、適切な関係によって創られた総体であることを認識しよう。
    自分と他人、さまざまな地域や国、異なる文化や伝統、あらゆる生命体とそれらを包み込む地球、更にその外に無限に広がる宇宙、その中でそれぞれが互いに調和しながら関わり合う。それが“平和”というものです。